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[一戸建て工事中のチェックポイント]
これも新型コロナの影響!? 建築現場で不足、トイレの次は『釘』! 『釘』不足の現場リスクは?

新型コロナウイルスの感染拡大により、マスクやトイレットペーパー・ティッシュなどの紙製品は店頭から姿を消して久しくなりました。原因は様々ですが、真偽がわからない情報の流布で「買い占め」が起きているのでは? などと言われています。そんな中、新築工事の現場では各設備メーカーが住宅設備の欠品・納品の遅れを発表したことにより「トイレ」「システムキッチン」など住宅設備が入らない状況に。さらに「いつになったら入るのか」「本当に全国的に不足しているのか」その真偽の程は定かではありませんが、確実に新築工事現場で不足しているという声が聞こえてきているモノがあります。それは『釘』。店頭から姿を消している? 建築現場から盗難? など噂レベルではありますが、実際 当社のホームインスペクターが建築現場で『釘』が足りない! という声を聞いていることは事実。実は平時でもホームインスペクション(住宅診断)を行うと『釘』に関する不具合・問題などが出てくることは少なくありません。そこで、今こそ『釘』が建築において いかに大切か、釘に関する不具合の見つけ方など、『釘』に関する知識を入れて、より安心・安全な家を建てましょう! 

今こそ知りたい『釘』知識! 

◆『釘』不足が与える影響

日本の一般的な住宅は「在来軸組工法」と呼ばれる木造建築。この工法で、例えば総建坪が115m2(約35坪)の一戸建て住宅を建てる時、約60,000本の釘やステープル、ネジが使われていると言われます。それだけの数の釘が入ってこなければ、当然 施行中であれば施工の遅れを生じさせ、これから建てる予定があっても、そもそも建てることすらできなくなるかもしれません。また、トイレットペーパー騒動のように「釘が不足しつつある」という情報が拡散され、その情報の真偽を見誤ると、使うべき大事な箇所に「釘」が使われない施工不良が起きたり、その場しのぎの施工により早期に修繕が必要になったりします。それでも建物は建てられ、平時では特に大きな支障がないとしても、大きな地震や大型台風などが襲ってきたら一溜りもありません。それだけ『釘』の役割は重要なのです。

◆重要な『釘』の種類とは

国で決まっている(JIS規格に認められている)建築で使用する『釘』はズバリ!

 ●N釘:在来軸組工法に使用。普通の釘やネジより剪断力(※)に強い

 ●CN釘:枠組み壁工法(ツーバイフォー構造)に使用。N釘同様、剪断力に強い

※剪断力 …… 平行で逆向きの2つの力によって部材内のある断面にすべりやズレが生じる力のこと。ハサミで紙を切る時、紙の面に垂直方向に上下逆方向の力がかかって紙が切れるのも剪断力によるもの。地震による断層や地すべりも剪断力が作用した結果。構造用合板(構造のための強い板)の固定に使用する際、N釘やCN釘以外を使用された場合、剪断力によって『釘』が千切れやすくなり、耐震性能が満たされなくなります。つまり、耐震性能を満たすためには、N釘やCN釘で止められていることが絶対条件なのです。

誤った『釘』使用で耐震性能を低下させないためのチェックポイント!  

◆まずは簡単にできる『釘』の種類チェック! 

N釘やCN釘が使用されているかは、施工現場に行き、目視で確認ができます。形状の特徴は…… 

 ●N釘:一般的に無色(鉄のまま)、または黒色頭がお皿のような形状で網目模様

 ●CN釘:一般的に緑色頭がフラットな(平たい)形状で無地

上記の特徴ではない『釘』を見たら、現場監督さんへ『釘』の種類を尋ねてみてはいかがでしょうか。

◆こんな『釘』の使われ方、されていませんか? 

目視で下記も確認しましょう。

  • 釘のめり込み:釘がめり込みすぎていると、わずかな変形でも壁が急激に壊れてしまう恐れがある。明確な目安はないが、1mm程度のめり込みまでが許容範囲と言われている。
  • ピッチ(間隔):釘を打つピッチ(間隔)が荒い場合もNG。構造用合板に使うN釘やCN釘は、一般的に釘頭の円形中心から中心の間隔で150mm(15cm)が適正。

それでも耐震性能に不安があったら…… 

新型コロナによる『釘』不足問題は今後どうなるかわかりませんが、正しい『釘』の種類、使われ方による耐震性能への影響は既知の事実です。
現在、お住まいを建築中の方で何か不安がある方は、お気軽に専門家に相談してくださいね。

 

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