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[住宅購入時のチェックポイント/物件見学 チェックポイント]
中古住宅の選び方~配管や設備のチェックポイント~

中古住宅は給水管、上下水道のチェックを忘れずに

実際に中古物件を見る際のチェックポイントをいくつかお伝えします。マンションよりも、主に戸建に向けた内容となりますが、まずは配管類について。
住宅の配管類は、人間の体でいうところの血管です。耐久性を備えているのは当然として、定期的な点検と修繕がしやすいものであることが大切です。かつては、鉄管や、鉄管に樹脂をコーティングした塩ビライニング鋼管が主流でしたが、この数年、材質は多様化してきました。樹脂管やステンレス管が使われていたり、鉄管を使う場合であっても、錆びないように内部にポリエチレンなどが施されています。
いずれも耐久性を向上させるための工夫ではありますが、それでも一般的には30年前後で鉄錆や漏水が発生するなど、取り替えは必要になってきます。
ホームインスペクション(住宅診断)の現場でも目にしますが、腐食に強いとされている塩ビライニング鋼管であっても、接続部分から水漏れして腐食が発生することがあるほど。給水管の定期的な点検は必ずしなくてはなりません。
そしてメンテナンス性を考えたときに重要になるのが、住戸内の給水管の工法です。大きく分けて「先分岐工法」と「ヘッダー工法」の2種類がありますが、よりメンテナンス性に優れているのは後者です。

在来工法である「先分岐工法」は配管全体が一つのセットになっているため、どこか一部が漏水してしまうと全部交換しなくてはならなくなり、手間もコストもかかってしまいます。
一方、「ヘッダー工法」とは、ヘッダーと呼ばれる太いパイプ状のところからキッチンや浴室などへそれぞれ樹脂製の給水管を伸ばします。補修や交換がそれぞれの管ごとに行えるため、メンテナンス性に優れているのが特徴。また、水やお湯の圧力がどの蛇口でも均等になるという利点もあります。

上水道は「引き込み管の口径」と「公設管」か「私設管」かの確認を

次は、水道管です。上水道で確認しておきたいのが「引き込み管の口径」。玄関や駐車場などに「量水器」と記された蓋があり、その中の水道メーターに口径が記載されています。
道路に埋設された本管から敷地内まで引き込む管の口径は、一般的には13mm、20mm、25mmの3種類です。かつては13mmが主流でしたが、現在は20mm以上が一般的(二世帯住宅なら25mmが必要とされています)。13mm管では水圧が弱く、現代の水道使用量では不足する可能性が高いです。

もし、築年数の古い住宅の購入を検討しているようであれば要注意。その物件に13mm管が使われている場合は将来的に引き込み管の入れ替えを検討する必要があり、これには50万円以上のコストがかかります。
また、引き込み管は物件の前面にある道路に埋まっている本管から引き直さなくてはなりませんが、本管は通常、道路の左右どちらかの端に寄せて埋設されているもの。物件の敷地に近い側に本管があればいいのですが、反対側に本管がある場合は引き込む距離が長くなってしまい、工事費用がさらにかかることになります。

次に、埋設されている本管が「公設管」であるか「私設管」であるかも確認しましょう。前者は行政または公共団体が、後者は私人(民間人、民間業者)が管理しているものです。物件の前面にある道路が私道の場合、水道の本管も私設管である可能性が高いでしょう。
そうしたケースでは、私設管から引き込むために追加の負担金が発生したり、引き込み管の口径を変えることに制約があったり、そもそもその私設管からの引き込みが不可能でほかの公設管から引き込む必要があったり……といったことが起こり得ます。売買後にトラブルが起きないよう、事前に取扱業者に確認しておきましょう。本管の位置、引き込み管の口径や材質など水道管に関するさまざまな情報は、自治体の水道局や水道部にある水道台帳で確認することもできます。

排水の処理方式は下水道の有無によって大きく異なる

下水道についても確認が必要です。トイレからの汚水、キッチンや浴室からの雑排水、雨どいからの雨水など、建物の敷地内からはさまざまな排水が出ます。これらの排水は「最終枡」に集められますが、そこからの処理方式は、「下水道」を使うか「浄化槽」を使うかの2種類あります。
道路に下水道が通っていれば最終枡から下水道に直接放流しますが、下水道がない場合は敷地の中に浄化槽を設けなくてはなりません。下水道の有無は道路のマンホールの有無でほぼ確認することができます。
さて、浄化槽を使う場合はどうなるでしょう。汚水と雑排水を一緒に処理するタイプの場合、4人分くらいの使用に耐えるタイプのもので100万円前後のコストがかかります。
また、浄化槽は定期的な清掃や点検に年間数万円のコストがかかるほか、20~30年で取り替えも必要です。以前は浄化槽を使っていてのちに下水道が通ったエリアも多く、なかには、敷地内にそのまま浄化槽が残されているケースも。将来建て替えをしたときにその浄化槽を撤去が必要になることも……。このコストも考えておかなくてはなりません。

上水道と同じく下水道が通っている場合でも、公設管か私設管かの確認は必要です。私設管だった場合は別途の費用負担が発生することもあり得るので、事前に確認をしておきましょう。

ガスの種類や電気、電柱の位置も要チェック

上下水道のチェックが済んだら、ガスと電気もあわせて確認しましょう。

ガスの種類

まずはガスについて。ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があり、近年、プロパンガスはかなり減ってきたものの、都市部でもまだプロパンガスを使っているエリアはありますし、あえてプロパンガスを引いている物件もあります。
購入を検討している物件がプロパンガスを使っている場合は注意してください。5年や10年など、一定期間プロパンガスを利用する特約を結んでいるケースがあるからです。
もし、この契約期間中に物件の売買が行われ、新しい所有者がプロパンガスから都市ガスに変えようとした場合、違約金が発生する可能性があります。都市ガスとプロパンガスでは使用するガス器具も異なりますから、この点にも注意が必要です。

電気は配線経路も重要



次は、電気について。まずは電気が問題なく使えるかどうか、確認してください。照明のスイッチは全部入れてみましょう。また、コンセントも確認を。スマートフォンの充電器などを持参してコンセントに差し込んでみるといいですね。現在の契約内容が何アンペアになっているか、ブレーカーの位置や予備の回路があるかの確認も忘れずにしておきましょう。
以前はエアコンやキッチン周りの配線が共通になっているものがほとんどでした。戸建、マンションにかかわらず、中古住宅では契約が30アンペアになっているケースも多くあり、使い方によってはすぐにブレーカーが落ちてしまうことになります。
最近は、例えばキッチン周りでも電子レンジ用や冷蔵庫用などと配線が細かく分かれており、仮にブレーカーが落ちたとしても、その時に使っている家電が止まるだけで済みます。まずは配線の経路がどうなっているか、分電盤(いわゆるブレーカー)を確認しましょう。それぞれのブレーカー(子ブレーカー)に、「冷蔵庫」や「電子レンジ」などの名前が書かれていると、専用のブレーカー(専用回路)になっていると思います。名前が書かれていないと、ひとつひとつのブレーカーを上げ下げして、どの部屋や場所のコンセントとつながっているか、確認する必要があります。

電気容量の契約内容も忘れずに

家庭内で使用する電化製品は増加しており、物件によっては「オール電化」なんてことも。キッチン周りだけでもIHコンロ、冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、炊飯器、食器洗浄機など。書斎周りを考えても、デスクライトやパソコン、スマートフォンの充電…と、とにかく枚挙にいとまがありません。
物件を購入してから電気容量の契約変更やブレーカーの取り替えを検討することになってしまうのも面倒です。家族構成やライフスタイルによって電化製品の数も種類も、使用する場所も大きく異なります。自らがどういった電源の使い方をしているのか、よく考えながら物件をチェックすることをおすすめします。リノベーション前提での購入であっても、もちろん必要なことです。
電気容量の契約変更は、電力会社に連絡すれば簡単にできます。ただし、電気の基本料金は容量ごとに決まっているため、容量を増やせば基本料金が上がることは覚えておいてください。電気容量は配線に使用している電線の太さによっても変わりますが、築年数の古い住宅であっても、30アンペアから60アンペア程度は難しい工事の必要なく電気容量をアップさせることができるでしょう。ただし、古い中古マンションだと、マンション全体の電気容量が決まっていたりなどの理由から、容量が上げられないこともあります。特に、30アンペア程度のマンションは必ず電気容量の変更が可能か、管理会社や仲介事業者さんに確認されたほうが良いでしょう。
また、配線経路を変更できるのは資格保有者だけです。配線経路の変更を希望する場合は電気工事会社へ連絡しなくてはなりませんので、このことも知っておいてください。

電柱の位置は邪魔になっていないか

電気に関して意外とトラブルのもとになりがちな「電柱」の位置もチェックしておきましょう。いざ住んでみたあとに駐車時などに不都合を感じたり、リノベーションや建て替えの際に邪魔になってしまったり……といったことがよくあります。現地を見に行ったときに見落としてしまうのです。
電力会社や電話会社と協議の上で電柱を移設することができるケースもありますが、移設にあたって制約があったり、コストがかかったりという可能性があります。
物件をチェックする際には、できるだけ具体的に日常生活をイメージして、不安な点をつぶしておくようにしましょう。

中古住宅選びはホームインスペクションの活用を

中古住宅は建物以外にも、配管・ガス・電気の確認も重要なチェックポイントです。あなたのライフスタイルに合っているのかどうかを見極めていくためにも、ホームインスペクション(住宅診断)を活用することをお勧めします。
建物はもちろん、設備面についても専門家に見てもらうことで住宅の状態が分かり、リフォーム・リノベーション前提でも購入後の計画が立てやすくなりますので、検討してみてはいかがでしょうか。

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